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雨、雨・・「雨の降る品川駅」(中野重治)を想う

ー「日韓強制併合100年」に(8/29)際してー

 「雨の降る品川駅」(中野重治) を想う。




 連日の雨、雨・・・。野菜も、親父も、体調が悪そうです。

 私は、相変わらず、ほぼ裸でうろつきまわっています。

 ニワトリは、自由を謳歌しています。



 



 



 さて8月29日は、「日韓強制併合100年」の日ですね。

 この日は、8月6日、9日の「原爆被害」とあわせ、今度は「植民地支配による加害」の側面から歴史を見つめ直す日、です。



 ところで、昨日、菅首相は「談話」を発表しました。(全文は←クリック)



 



 韓国でも、各紙が一面で取り上げています。

 

 

 一部を引用します。是非、全文を読んでみてください。



 「・・・百年前の八月、日韓併合条約が締結され、以後三十六年に及ぶ植民地支配が始まりました。

 三・一独立運動などの激しい抵抗にも示されたとおり、政治的・軍事的背景の下、

 当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、

 国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられました。・・・・」
(部分引用)



 民主党内部の反対の声が上がる前の、秒殺的な早業でしたね。

 安倍元総理を筆頭に、いろんな人やグループが、早速、批判ののろしを上げています。

 

 もちろん、菅総理にも政治的意図はあるでしょう。

 参議院選挙の敗北からの失点ばん回、日韓を中心に、日米韓による北朝鮮包囲網の形成、等々。

 しかも、韓国だけの問題に絞った点、従軍慰安婦や朝鮮人被爆者の問題の無視、等々、の不十分点も多々あります。

 

 でも、問題は、難癖をつけるよりも、これをいかに運動の側で利用するかでしょうね。



                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 早速、私は、この談話を利用します。



 「日韓強制併合100年」で、是非、皆さんに知ってもらいたいがあります。

 かなり有名ですから、何をいまさら、と思うでしょうが、我慢して付き合ってください。



 1928年の秋、昭和天皇の「即位式(御大典)」が京都で始まりました。

 この年は、小林多喜二の本『一九二八年三月一五日』で有名な

 「3・15事件」があり、共産党員など1600名が検挙されています。



 



 多喜二はこの作品の中で、特別高等警察による拷問を描写しましたが、それが特高警察の憤激を買い、

 後に拷問死させられる引き金となりました。



 



 



 



 秋には、在日朝鮮人の活動家がたくさん捕まり、虐殺されたり、強制送還されたりしました。

 この詩は、強制送還される友に贈った詩です。

 

 中野重治の「雨の降る品川駅」という、詩です。



 私の、大好きな詩の一つです。

 この詩は、多くの人に親しまれてきました。

 「プロレタリア詩の、傑作である。」と評する、評論家もたくさんいます。

 と、同時に、詩の中の一文に難癖をつけ、

 「民族エゴイズムの詩」と、決めつける人々もかなりいます。

 「百家争鳴」ですね。



 詩というのは、あれやこれやの部分的な表現よりも、全体として読み手がどう感じるか、がまず大事ですよね?

 この詩は、読み手の、私の心を揺さぶる詩なのです。



               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 雨の降る品川駅



                  辛よ さようなら

                  金よ さようなら

                  君らは雨の降る品川駅から乗車する



                  李よ さようなら

                  も一人の李よ さようなら

                  君らは君らの父母の国にかえる



                  君らの国の河はさむい冬に凍る

                  君らの叛逆する心はわかれの一瞬に凍る



                  海は夕ぐれのなかに海鳴りの声をたかめる

                  鳩は雨にぬれて車庫の屋根からまいおりる



                  君らは雨にぬれて君らを逐う日本天皇をおもい出す

                  君らは雨にぬれて 髭 眼鏡 猫背の彼をおもい出す



                  ふりしぶく雨のなかに緑のシグナルはあがる

                  ふりしぶく雨のなかに君らの瞳はとがる



                  雨は敷石にそそぎ暗い海面におちかかる

                  雨は君らのあつい頬にきえる



                  君らのくろい影は改札口をよぎる

                  君らの白いモスソは歩廊の闇にひるがえる



                  シグナルは色をかえる

                  君らは乗りこむ



                  君らは出発する

                  君らは去る



                  さようなら 辛

                  さようなら 金

                  さようなら 李

                  さようなら 女の李



                  行ってあのかたい 厚い なめらかな氷をたたきわれ

                  ながくせ堰かれていた水をしてほとばしらしめよ

                  日本プロレタリアートの後だて前だて

                  さようなら

                  報復の歓喜に泣きわらう



                                 「中野重治詩集」(黒田喜夫編 昭和42 世界の詩 46)所収



                   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 じつは、この詩には、何種類もあるのです。

 上の詩は、あとから中野が筆を加えて、修正したものです。一番、オーソドックスなものです。

 「雨の降る品川駅」といえば、これをさすようです。

 ギョ!ぎょ!ですよね。

 時代が時代ですから。

 最初の詩は、伏字だらけでした。

 まず、それを見てください。



                   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 雨の降る品川駅(初出形)



 ***記念に 李北満・金浩永におくる



辛よ さやうなら

金よ さやうなら

君らは雨の降る品川駅から乗車する



李よ さやうなら

も一人の李よ さやうなら

君らは君らの父母の国に帰る



君らの国の河は寒い冬に凍る

君らの反逆する心は別れの一瞬に凍る



海は雨に濡れて夕暮れのなかに海鳴りの声を高める

鳩は雨に濡れて煙のなかを車庫の屋根から舞ひ下りる



君らは雨に濡れて君らを*******を思ひ出す

君らは雨に濡れて ***** ***** **** *** ******を思ひ出す



降りしぶく雨のなかに緑のシグナルは上がる

降りしぶく雨のなかに君らの黒い瞳は燃える



雨は敷石に注ぎ暗い海面に落ちかかる

雨は君らの熱した若い頬の上に消える



君らの黒い影は改札口をよぎる

君らの白いモスソは歩廊の闇にひるがへる



シグナルは色をかへる

君らは乗り込む



君らは出発する

君らは去る



おゝ

朝鮮の男であり女である君ら

底の底までふてぶてしい仲間

日本プロレタリアートの前だて後ろだけ

行ってあの堅い 厚い なめらかな氷を叩き割れ

長く堰かれて居た水をしてほとばしらしめよ

そして再び

海峡を躍りこえて舞ひ戻れ

神戸 名古屋を経て 東京に入り込み

****に近づき

****にあらはれ

****

**顎を突き上げて保ち

************

*******

温もりある**の歓喜のなかに泣き笑へ



          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 よく、分かりませんよね。

 副題がありますよね。

 特に、最後の部分は、よほど権力の逆鱗に触れたのか、皆目わかりません。

 でも、これを『無産者』という雑誌(朝鮮プロレタリア芸術同盟の機関誌)が、朝鮮語訳で、いち早く掲載していたのです。(写真は横になっていますが・・。)



 



         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

  『無産者』に掲載された朝鮮語訳を、その発見者の水野直樹氏によって日本語に散文訳され、

 それをもとに、テキストの伏せ字字数に合わせ復元したものが、下です。

 伏字や検閲、おまけに戦火で、原稿の消失等々、皆さんの苦労は、大変だったようです。

   



        雨の降る品川駅



御大典記念に 李北満・金浩永におくる



辛よ さようなら

金よ さようなら



君らは雨の降る品川駅から乗車する



李よ さようなら

も一人の李よ さようなら

君らは君らの父母の国に帰る



君らの国の河は寒い冬に凍る

君らの反逆する心は別れの一瞬に凍る



海は雨に濡れて夕暮れのなかに海鳴りの声を高める

鳩は雨に濡れて煙のなかを車庫の屋根から舞い下りる



君らは雨に濡れて君らを追う日本の天皇を思い出す

君らは雨に濡れて 彼の髪の毛 彼の狭い額 彼の眼鏡 彼の髭 彼の醜い猫背を思い出す



降りしぶく雨のなかに緑のシグナルは上がる

降りしぶく雨のなかに君らの黒い瞳は燃える



雨は敷石に注ぎ暗い海面に落ちかかる

雨は君らの熱した若い頬の上に消える



君らの黒い影は改札口をよぎる

君らの白いモスソは歩廊の闇にひるがえる



シグナルは色をかえる

君らは乗り込む



君らは出発する

君らは去る



おゝ

朝鮮の男であり女である君ら

底の底までふてぶてしい仲間

日本プロレタリアートの前だて後ろだて

行ってあの堅い 厚い なめらかな氷をたたき割れ

長く堰かれて居た水をしてほとばしらしめよ

そして再び

海峡を躍りこえて舞い戻れ

神戸 名古屋を経て 東京に入り込み

彼の身辺に近づき

彼の面前にあらわれ

彼を捕え

彼の顎を突き上げて保ち

彼の胸元に刃物を突き刺し

返り血を浴びて

温もりある復讐の歓喜のなかに泣き笑え



      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 私が好きなのは、修正される前の、この詩なのです。

 最後の部分は、朝鮮を植民地支配している、最大の犯罪人=天皇を打倒せよ

 と呼びかけている(に違いない)のです(よね?)

 あまりにも政治的すぎたので、修正が加えられたのでしょうが、でも、これが一番好きです。

 

 皆さんも、8月15日から8月29日にかけては、この詩を、じっくりと味わってください。



 

 

 
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プロフィール

    「ぎーやん」

Author:    「ぎーやん」
 定年を待たずに退職し、長年の夢だった「自給自足的生活」に、無謀にも挑戦しています。
 たった一人で、日夜、鳥獣と格闘しながら、「クーバフアーム」と名付けた里山を、試行錯誤しながら、切り盛りしています。場所は三重県の山奥。奥伊勢の一角です。
 おかげで今や、スリムな肉体に大変身。この1年で、10キロの体重減。なにやら栄養不足の影の声も・・・チラホラ?
 毎日を、上の写真のような笑顔ですごしたいものですネ。
この似顔絵は、元同僚の、招来猫子さんの作です。

連絡先 
(メール) giyan@ma.mctv.ne.jp   
   クーバフアーム所長   まで。

 

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